突然ですが、クイズです。
昨オフのジェフ関係の選手の移籍に、最も多く関わったマネージメント会社はどこでしょうか?

こんな質問に対する答えも簡単に分かってしまう、割と重要な情報がJFA(日本サッカー協会)から公表されています(正解は後ほど!)。

JFAによる「資料を公開しました!」みたいな正式なプレスリリースは発見できなかったのですが、以下のページの一番下にひっそり公開されています。
http://www.jfa.jp/football_family/intermediary/

そもそもこれは、サッカーの「代理人制度」が廃止されて、新しく「仲介人制度」ができたことに関係しています。ざっくり説明すると、これまではサッカー選手の「代理人(エージェント)」になるためには資格が必要で、各協会の認定を得る必要があったのですが、実際には無資格者が多く活動しており、また、様々なトラブルも発生していたため、代理人制度は世界的に廃止され、代わりに仲介人制度というものが新設された、という背景があるようです。そして、新しい「仲介人」は登録さえすれば基本的に誰でもなれますが、どの選手あるいはクラブと契約したかが、年に一度、全て公表されるシステムになりました。

そして、この新しい制度が始まったのが2015年4月1日からですので、今回、2015年4月1日〜2016年3月末日までの1年間に仲介人が関与した取引の一覧が公表されたということのようです。

それでは早速、去年と今年のジェフの所属選手の仲介人と、その所属会社を見ていきましょう。

移籍組

まずは移籍組から。リストから確認できたのは以下のとおり。

田代真一(→山形) 柳田 佑介
(−)
金井貢史(→横浜M)野村 豊幸
(エースポーツクリエイション株式会社)
伊藤槙人(→水戸) 植木 竜介
(株式会社MYYK)
佐藤祥(→水戸)  馬淵 雄紀
(株式会社イマージェント)
大岩一貴(→仙台) 吉見 潤
(株式会社ジェイプランニング)
岡大生(→甲府)  石川 貴之
(株式会社ジェイプランニング)
中村太亮(→磐田) 高木 泰裕
(株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーション)
田中佑昌(→甲府) 高木 泰裕
(株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーション)
安柄俊(→金沢)  西真田 佳典
(株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーション)
水野晃樹(→仙台) ツクダ ロベルト
(株式会社スポーツコンサルティングジャパン)
森本貴幸(→川崎) 吉﨑 博文
(株式会社フットステージ)
佐藤健太郎(→京都)宮本 行宏
(株式会社フットステージ)
谷澤達也(→町田) 松浦 修也
(株式会社プレイヤーズファースト)

以下の選手については、確認できませんでした。
高木駿、松田力、栗山直樹、河津良一、能登正人、浦田樹、キム・ヒョヌン、ネイツ・ペチュニク、パウリーニョ、鈴木隆行

外国人選手については、仲介人は必ずいると思うのですが(少なくともパウリーニョの仲介人はツイッターやFBをやっていますし)、JFA登録仲介人ではないので、このリストには載っていないということなのでしょうか。レンタルバックの高木と松田は別として、栗山は仲介人を使わずに自分で移籍先を探したんだろうかとか、結構気になります。

新加入組

続いて、新加入組。

吉田眞紀人(←水戸)今時 靖
(イーマ株式会社)
若狭大志(←大分) 植木 竜介
(株式会社MYYK)
長澤和輝(←ケルン)秋山 祐輔
(株式会社SARCLE)
佐藤優也(←東京V)田邊 伸明
(株式会社ジェブエンターテイメント)
大久保裕樹(←松本)田邊 伸明
(株式会社ジェブエンターテイメント)
阿部翔平(←甲府) 熊崎 厚夫
(株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーション)
山本真希(←川崎) 熊崎 厚夫
(株式会社ジャパン・スポーツ・プロモーション)
菅嶋弘希(←東京V)稲川 朝弘
(株式会社スポーツ・ソリューション)
藤嶋栄介(←鳥栖) 吉﨑 博文
(株式会社フットステージ)
近藤直也(←柏)  宮本 行宏
(株式会社フットステージ)
多々良敦斗(←仙台)宮本 行宏
(株式会社フットステージ)
比嘉祐介(←横浜M)宮本 行宏
(株式会社フットステージ)

以下の選手については、確認できず。
船山貴之、小池純輝、仲村京雅、大野哲煥、岡野洵、イ・ジュヨン、アランダ、エウトン

ここで気になるのは、何と言っても、意外な選手たちが同じ仲介人と契約していること。特に、近藤・多々良・比嘉さんの3人は同じ仲介人と契約しており、藤嶋も仲介人は違いますが、所属会社は一緒です。ちなみに、冒頭の質問の答えは、この会社、株式会社フットステージです(移籍組と新加入組あわせて6人の移籍に関与)。ジャパン・スポーツ・プロモーション(いわゆるJSP)は、合計5人で2位でした。

残留組

せっかくなので、残留組も。

佐藤勇人  植木 竜介
(株式会社MYYK)
岡本昌弘  馬淵 雄紀
(株式会社イマージェント)
井出遥也  馬淵 雄紀
(株式会社イマージェント)
町田也真人 石川 貴之
(株式会社ジェイプランニング)
北爪健吾  小林 博
(株式会社ジャパン・スポーツ・マーケティング)
富澤清太郎 小林 博
(株式会社ジャパン・スポーツ・マーケティング)

確認できなかったのは、オナイウ阿道と乾貴哉。
(2016/10/10追記:阿道は、シーズン途中に長澤と同じ株式会社SARCLEと契約していたようです。 http://sarcle.jp/news

ここで意外なのは、ルーキーイヤーを終えたばかりの北爪に仲介人がついていることですね。いや、別についていても全くおかしくないのですが、特別に契約交渉することが何かあったのでしょうか。

ジェフは仲介人とは契約せず

公表されているリスト全体を見ていただくと分かるのですが、選手ではなくて、クラブと契約している仲介人も存在します。これは、主にクラブが外国人選手を獲得しようとする際に、その国に詳しい仲介人と契約しているケースが多いようです。

ジェフは仲介人とは契約していませんので、海外のクラブや仲介人との交渉も、全て自前でやっていると推測されます。これは、社内にしっかりと交渉できる人材がいるのであれば、情報流出の心配もありませんし、良い戦略であると言えるでしょう。でも、そのような人材がいないのであれば、お金を払ってでも外部のプロを雇った方がマシ、ということになるかもしれません(どっちが良いかは一概に言えないと思います。)。

以上、リストを見てとりあえず思ったことや考えたことを、つらつらと書いてみました。僕のようなスポーツオタクにとっては、こういう情報が公開されるようになったことは嬉しい限りですが、透明性が上がることは、サッカー界全体にとっても良いことなのではないかと思います。ジェフも、少なくとも高橋GMの就任前はかなり秘密主義だったと思いますが、今後、その辺が変わっていくのかどうかにも注目しています。