(2016/3/9 00:30 少しだけ文中の表現を修正しました。)

開幕戦の大逆転劇の余韻が冷めやらぬまま、迎えたアウェー岡山戦。

前半は、開幕戦よりはうまく攻めることができていたと思いますが、後半に2失点。開幕戦のヒーロー、長澤と吉田を投入して逆襲に出るも一歩及ばず、1-2で新生ジェフ初黒星となってしまいました。

この試合の中で、井出選手のプレーについてちょっと気になったことがあったので、ちょうどオンデマンドで見ていたということもあり、プレー画像も使って解説してみたいと思います。

一見、素晴らしい技術。でも…

とにかく細かいボールタッチがうまい井出選手。ニューイヤーカップの中継でも下村東美さんと戸田和幸さんに絶賛されていましたし、テクニックだけで見れば、J1の選手と比べても遜色ないと思います。本人も今年は自分がやらなければいけないという自覚を強く持っているのか、積極的にドリブルで仕掛けて相手を翻弄するシーンが目立ちます。

でも、ちょっと気になるのは、その技術を繰り出す場面を間違えていないかということ。今日の試合でそんなシーンがあったので、そこを振り返ってみたいと思います。

前半32分、左サイドで加地選手と1対1の状況になった井出選手。

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一度左にフェイントを入れてから、右に仕掛けます。

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そのままクロスを上げるかと思わせておいて、

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キックフェイント。

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これにより、加地選手は、相手に完全に背を向けるという、DFとしてかなり恥ずかしい体勢になってしまいます。

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それを見た井出選手は、ボールを持ち直して、余裕を持ってクロス。

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しかし、このボールは、岡山のDFにクリアされます。

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もしアラン・シアラーがこのシーンを見たら?

実はこれと似たようなシーンを、僕は去年、イギリスのテレビで見たことがあります。

その時は、マンチェスター・ユナイテッドのオランダ代表、ブリント選手が左サイドを突破、そのまま左足でクロスを上げるかと見せかけて切り返し、相手のDFを完全にかわした上でクロスを上げたが中に合わなかったというシーンでした。僕はこれを見て「上手い!」としか思わなかったのですが、このプレーに対する、元イングランド代表アラン・シアラーの解説が辛辣でした。

「最初のクロスのタイミングで、FWのファルカオが完全にDFの前に走り込んでいた。ブリントはあのタイミングで必ずクロスを上げなければならない。もし俺がファルカオだったら、ロッカールームでブリントに怒鳴り散らすね。」
(完全には覚えていませんが、大体こんな感じ。)

これを踏まえて、上の井出選手のプレーをもう一度振り返ってみると、最初のクロスのタイミングでは、画面の右端ですが、小池選手と船山選手がニアに勢い良く飛び込もうとしています。

しかし、井出選手が加地選手を完全にかわしてクロスを上げた際には、小池選手は完全に動きが止まってしまっており、船山選手は動き直してファーを狙っていますが、この距離から、ファーの1人の選手にピンポイントでクロスを合わせるのは、キッカーに余裕があるとは言え、かなり難易度が高い。

結局、ボールは待ち構える岡山のDFに難なくクリアされています。これでは、キックフェイントをした意味は全くなく、結果だけを見たら、自己満足と言われても仕方のないようなプレーです(シアラーならブチ切れているでしょう。)。

もちろん、試合中のワンプレーだけ切り出して批判めいたことを書くことはフェアではありません。他の場面では、井出選手にたくさん良いプレーがあったことも事実です。でも、開幕戦でもこれと同じようなシーンがありました。その時は、船山選手が大きなジェスチャーで不満を露わにしていましたが、今回は誰からも特にそういう仕草は見られなかったのと、2試合連続だったのでちょっと気になりました。

井出選手には、間違いなく飛び抜けた技術がある。でも、その使い所を良く考えて、なんとなく感覚でプレーして欲しくない。その時々の状況に応じて一番効果的なプレーが選択できるようになれば、相手も手に負えなくなるはず。普段は前向きなことしか書かないこのブログですが、井出選手には期待しているだけにこのプレーが残念で、あえて厳しいことを書かせてもらいました。

個人的には、井出選手の成長なくしてジェフの昇格はないと思っているので、引き続き、頑張って欲しいです。阿道なんか、改善して欲しいところがいっぱいあるぞ!